- ShinobuBigOcean
- 2022年5月22日
更新日:2月16日
だから邦画は好きじゃないんだよ
(嫌いとは言ってない)

某日、オンライン試写権を頂いたのだが、
期限が当日までだったので、慌てて寝る間を惜しんで見る事に。
(なんだって当日渡してくるんだ!)
実際、その題材の現場にいる人間としては、
大槻ケンヂカバーの「ロマンチスト」くらい、
「吐き気がするほど ロマンチックだぜ」
ホント、ファンタジー映画でした。
映画の中ではあたかもそれ一本だけ作ってるみたいに描かれてるけど、
この心血の注ぎ具合をみんな表に出さずに、
デフォで2,3本並行してやってますので、
そこんとこよろしく。
ついでにそこに冠婚葬祭や退職、鬱、起訴も入ってくる。
けどまぁそこはたぶんどの仕事も似たり寄ったりな不測の事態。
感想の勘定には加えないでおく。
正直、現場の人間としては、
ラッシュチェックをしてるような気分=仕事してる気分半分、
映像を勉強する半分、
映画を楽しみたい半分で、
詰まるところ、このお仕事というものが、
いかに割りに合わないのかというのがお分かりいただけるだろうか。
現場の人間は自分の仕事がピックアップされないと盛り上がらないのはほぼ確定的。
この辺りはシロバコの方がまだ理解があったと思う。(12話あるしそれは致し方ない)
アニメのお仕事が知りたいなら、
シロバコか庵野監督のプロフェッショナルで間に合ってる気がする。
他にもジブリのメイキング番組とかは過去にもいくらかはあると思うからそれで充分。
というか普通の人向けの映画なら、
主人公監督は感情移入し辛いのでは……?
監督業自体かなり特異な存在よね?
青春ものでもないし、
サクセスストーリーでもない。
ドキュメンタリーでもモキュメンタリーでもない。
ましてや、今のご時世、
あんなラブロマンス見た事無ぇ。
実際無いし、あるならあやかりたいわ!
本編で作られてるアニメのクオリティは高かった。
そりゃあ数カットしかないし、
覇権を謳う以上、
劇場版クオリティなのはわかるけど、
1クールアニメであのクオリティだせる撮影監督に弟子入りしたいっす。
これじゃあ覇権アニメじゃなくて派遣アニメです。
(実写映画のクオリティをアニメが少しばかり担保してるという意味合いで)
お話は映画だから仕方ない。
目をつぶる。(中村智也演じる監督がカッコいい体裁で描かれてますが、いや実際パッと見の言動カッコいいけど、最終話のコンテが上がった段階で既存話数はそれ以上前に稼働しているはずなので、全体の進行状況からして、たぶん最終話間に合わないっす。)
あんな各セクションの監督が雁首揃えて打ち合わせしてるところを見た事が無ぇ!
そういうところに胸焼けを覚えて、
またそういう場面に限ってクサイ話の流れで吐き気を覚える。
現実はもっとドライで夢も希望もお金も無い。
個々人の努力と削られた睡眠時間の人柱ばかり。
誰も助けちゃくれないのがまず大前提。
だって自分のお仕事だもの。
こぼす奴が悪いのだから、まずは自分のお尻を拭き拭きするのが先なのよ、実際は。
誰も彼もがあんなに気前良く二言返事で了承なんてしてくれない。
なるべくそうできるように、何処の会社も横の繋がりを大事にしてる。
(言い換えれば、本作のようなコンテが上がらないヤバい案件も伝わるのが早い)
だからこの映画を面白くするには、
もっと、魚が窒息して水面に顔出すように、
もっとアップアップな失敗や不幸の連続の方がリアリティがあって魅力的だっただろうなって思う。
大衆性は削がれるだろうけど……。
ただ、そこを限られた人材が知恵を持ち寄って解決していくところにプロジェクトX的な仕事としての楽しさがある。
こういう生み出す苦労や不測の事態とそれに立ち向かい乗り越えていく楽しさは、
チェイサーゲームのが現場に近い感触があるのでおすすめ。

マジでなんでこの映画作った?
誰ターゲットだ?
そもそも業界賃金の底上げを目的としたイメージアップやチャリティーなのか?
ぼんやりだった。
そして冒頭へ。