シン・仮面ライダー
- ShinobuBigOcean
- 2023年4月3日
- 読了時間: 7分
更新日:2月16日
まぁこうなるよね。
みんなが欲しい仮面ライダー。
なのかぁ!?
アマゾンズやブラックサンで事足りたんだけど、
庵野ブランドを欲した権利者が焦ったのか、
庵野監督の気が乗らなかっただけなのか、
それともシンウルで庵野秀明が監督やらないって事で騒がれたから、慌てて建造したのか。
(しかし、パンフレットを見るとそんな事は無かった。もっとずっと前から企画は進んでた)
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と言うわけで本作の感想や見所を……と行きたいが、
先にそれを言ってしまうとネガティブな意見が最後に来てしまうので、
まずは自分にとってマイナス要素だった所をお伝えしましょう。
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■ライダー初心者には伝わらない原作再現やリスペクト
残念ながら自分には原作へのリスペクトが20%ほどしかわからなかった。
監督自身が原作に捧げるリスペクトはひしひしと伝わってくるが、
仮面ライダー弱者である自分には残念ながらネタを十分に拾う事ができなかった。
自分もそこそこに仮面ライダーファンであると思っていたが、
如何せん、ZO世代なので、初代仮面ライダーについてはなかなかに疎いという事を再認識させられた。
仮面ライダー強者の方ならば、この作品を楽しめると思う。
特に、原作と比較して見たときの違いや、原作を知っていることによって得られるものがあるかもしれない。
■マスク越しの声が聞き取りづらい
マスク越しの声をそのまま使うのは、演出として裏目に出たと思う。
リアリティを追求するためのものなのか、リピート視聴を想定した意図的なものなのかは不明だが、
自分自身が重要なシーンや単語を聞き漏らしてしまい、ストーリーの理解に支障が出たことが残念だ。
これによって自分自身が映画に没頭しようとする気持ちが一歩引いてしまったのを感じた。
マスク越しの声は『the first』などでも出てくるが、
恐らくは後撮りで加工されたものなので聞き漏らすことがなく、物語に集中することができる。
セリフはキャラクターの感情や考えを伝える重要な要素であるため、伝わらなければ意味が無い。
泥臭い仮面ライダーは魅力的だが、作りまで泥臭くする必要はなかったのかもしれない。
■途中からなんかミッションこなしてく系になった
政府と同盟を結んだことで、ストーリーが単調になってしまったように感じる。
原作がそうなのであれば、仕方がないことかもしれないがが、
同盟を結んだ結果、政府に管理される状況に陥ってしまったため、
物語の流れが自然に進まなくなってしまったように思う。
■CGがややチープ
本作品の戦闘シーンのCGがややチープに感じる点が挙げられる。
CGの動きに粗さを感じ、特に戦闘シーンで目立っていたため、個人的には興醒めしてしまった。
人間サイズの特撮なのだから、ハリウッドくらいとは言わないが、せめてもう少し自然な動きのCGを作ってほしかった。
これは監督の感性が、客の求めるものと合致していないのではないかと思う。
ただし、ハチオーグとのコマ落としの戦闘シーンに関しては、
庵野監督がアニメと実写の両方を監督してきたことから、妙案としてうまく機能していたと思う。
■一文字のマスクが顔に合っていない
一文字隼人役を演じる俳優のマスクが、顔に合っていない印象を受けた。
俳優さんが細身で背が高いこともあり、胸のパーツと相まって、印象がスッゲーひょろっこい印象を受けてしまう。
仮面ライダーと言えば頼れるヒーローのイメージがある為、もう少し顔に合ったマスクを用意してあげて欲しかったと思う。
■サイクロン号がエヴァっぽい
サイクロン号のデザインがエヴァ弐号機っぽい複眼タイプになっていて、ちょっとがっかりだった。
この点はthe first、nextのデザインの方がカッコよくデザインできていた。
現実に乗っていても全然恥ずかしくないデザインだった。
また、今回のサイクロン号はマフラーが三本なのは良いが、それがエヴァのジェット噴射みたいな動きをしていたため、この点にも正直ガッカリだった。
バッタオーグメントなんだから、ジェットに頼らずバイクテクを駆使して空へとかっ飛んでいって欲しかったと思う。
■森山未來は、ブレードランナー2049のジャレッド・レト
キャラクターのイメージがどことなく被っているように感じて、
もうそれ以外浮かんでこない。
■最後に二人が名を明かすシーン
物語の最後に、とある人物二人の名前が明かされる。
しかし、このシーンで俳優が「シン」シリーズに出演していたことや、それらキャラクターの風貌や言動に通っていた事が勝手な先入観となり、
前二作から役を引き継いでいるかのような印象を受けてしまい、原作のキャラクター名が出てこなかった。
後で気付いて「あぁ~」となるものの感動に欠ける。
物語の構成上、ぶち上がる構成ではあるが、
前二作での役者の印象や原作とのギャップが激しすぎて伝わりにくかった。
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最初書いてて、「あれ?以外に駄目なところって少ないんじゃないのか??」
なんて思ったけど、気のせいだった。
書いてるうちに出るわ出るわ。
粗方出した気がするのでとりあえず次行ってみよう。
シン仮面ライダーの良かったところ。
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■序盤のゴア表現を含めた戦闘シーン
本作の魅力の一つと言えるのが、序盤のゴア表現を含めた戦闘シーンだろう。
特にショッカー戦闘員視点でライダーに殴られるシーンは、スピード感あふれる映像が印象的だった。血しぶきが飛び散り、それでいて臓器や肉片は出てこないため、適度なゴア表現で掴みはバッチリだったと感じる。自分自身も、このようなシーンが続くことを期待していたということもあり、とても楽しめた。
ただし、途中からゴア表現が減ってしまったのは残念だった。それでも、ライダーが前転宙返りをするときのダブルアクションカットは軽快で痛快で軽妙で、映像のテンポも実に気持ちが良かった。特に、黒いシルエットと化したライダーの動きが青空で映えるシーンは、空が綺麗でとにかく素晴らしい。
さらに、ライダーキックのスピード感も素晴らしい。とにかくライダーが映るところはとことん気持ち良いように作ってあり、ダブルアクションの時だけでも十分に楽しめる。戦闘シーンのクオリティは高く、本作の魅力の一つと言えるだろう。
■スウェット姿で笑う浜辺美波がかわいい
スウェット姿で笑う浜辺美波がかわいい。
■塚本晋也監督と池松壮亮
塚本晋也監督と池松壮亮は、監督作品「斬、」でも共演しており、
序盤はまるで「斬、」の異世界転生の続きを見ているかのような感覚に陥り、個人的には思わずニヤリとしてしまった。
塚本組と庵野組がいよいよ合流していくという予感がして、今後の展開がますます気になるところだ。
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あれ?良かったところが少ない。。。
恐らくは良かったところの出来が良すぎて、
駄目だったところを牽引しているのかもしれない。
それ故に視聴後の消化不良感が半端ないのかもしれない。
何にしても、
この映画は仮面ライダーマニア、オタクではなくマニアじゃないと元ネタが拾えないし、楽しめない箇所が多く、
予備知識無しで見に行くと普通のお話を見せられてなんだかパッとしない印象で終わる。
そこにCGの奇怪な動きの戦闘シーンを見せられてなんだか興醒めをしてしまうという映画でした。
ゴア表現を、(特にアマゾンズやブラックサン、真なんかを)期待するとそれもどこかへ行ってしまうから余計に辛いのかもしれない。
それでもライダーキックに至るまでのダブルアクションカットの映像は本当に素晴らしく、
それこそ、RRRのナートゥくらいに延々と見ていられる。
なので、ゴア表現マシマシのライダーはアマゾンズやブラックサンで。
リアリスティック解釈1号2号ならthe first・the nextを補給しておきましょう。
シン仮面ライダーを構成する要素はダブルアクションカットと受け継がれていく絆です。
総合的に見ると、原作や昭和の特撮作品に精通している人にはオススメできる作品だが、
ライダー初心者には少し敷居が高い作品だと思いました。
以上!
良いのか!?こんなんで!?
もう一回見た方が良いんだろうけど、
ちょっと今回はそんな気になれませんでした。
では、また。
(いい加減、ヒッチャーの記事書かなきゃ。。。)
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